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セフレと男友だちは違う。私たちはもう会うことはない #終電と私

終電と私

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写真/gettyimages

0時が近づくにつれて、街の人々は「終電」が気になりだす。

帰ろうか、残ろうか。時計を見ながら正解を考える。甘酸っぱい思い出も、切なく悲しいできごとも、思えば全部「終電」がきっかけだった。

そんな、誰もがひとつは持っている終電にまつわる物語「#終電と私」を集めてみました。

ずいぶん長らく、会えばセックスをする友だちがいた。

いわゆるセフレである。

その言葉の響きはいまだにしっくりこないが、もはや認めるしかない。もう5年以上もそういう関係なのだから。

***

すごく早い朝、目が覚めて、薄暗い天井を眺めていた。

隣には高校のときの同級生が眠っている。サッカー部の背が高くて雰囲気イケメンの、あの彼だ。

当時、8割は女子というまったく男っ気のない大学に進学したわたしの唯一の男友だち。

それが彼だった。

わたしたちは、同じ最寄り駅を使って違う大学に進学することになった。池袋から電車で10分、駅を挟んでそれぞれ真逆の方向に住んでいた。

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写真/gettyimages

久しぶりに行った合コンの帰り道、2軒目はふたりで飲もうよと誘ってきた男を振り払い、終電に乗った。

終電はきらいだ。

0時をまわると、酔わして、逃して、性欲を振りかざしてくる。さっきの男もそんな感じだった。

この夜をどうにか謳歌しようとして、みんな終電なんてそっちのけで、必死になにかを探している。

金曜日、夜の駅はそんな人たちであふれかえっていた。

わたしは電車を降りて、自分の家とは真逆の方向に歩き出した。

こんな日の夜は決まって彼の家のインターフォンを鳴らす

「よ!」

突然押しかけても、いつも通り。

彼に会うと、あの欲望に満ちた人ごみから解放されたようで、とても安心できた。

平然と、文句のひとつも言わず、いつも終電で来るわたしのことをすんなりと招き入れてくれる。

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写真/gettyimages

彼とのセックスは、わたしからしてみれば、女友だちとする長電話やインスタ映えランチに行くことと同じだった。

彼が女だったら、そういう女々しい遊びに付き合ってくれたのだろう。けれど、彼は男だったから、ゲームとかサッカーとかそういうものにしか興味がなかった。

わたしたちはお互いの心を満たすようにセックスをした。

酒でも性欲でも、終電でもなく、はっきりと「さみしさ」を理由にして、体を重ねた

彼はセックスをしたからといって「お前は俺の女だ」みたいな態度をとらない。わたしたちは愛を確かめ合ったりしない。それがなによりも楽だった。

終わったあとのピロートークは、決まってback numberの曲を聴きながら、彼の好きなサッカーか小説の話をした。

『ねぇもうすぐお昼だよ』

「なにいってんのもう朝だけど」

『君の声で目が覚めて』

「そもそも今日金曜日だよ」

『でももう少し寝たい気もするな』

「もう!(笑)まだ一睡もしてないじゃん」

いきなり曲の歌詞をかいつまんではじまる会話がすきだった。

くだらない会話をしながら、狭いシングルの布団に潜って、新曲を聞いたり、海外のクラブチームの動画を見たり、この前貸してくれた本の感想を話した。

『誰かの特別になりたくて、特別になれないことを"さみしい"と呼ぶ』

さっき電車のなかで彼が貸してくれた本を読んでいたら、そう書いてあった。

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写真/gettyimages

誰かの特別になりたい

そんなことを願って、何度もなんども自分から「もう会いたくない」と言った。

誰かの特別になりたくて、彼の特別をやめようとした。わたしたちは、少しずつもう友だちではいられなくなっていた

「もう会いたくない」と言われたとき、彼はいつも「わかった」と答えるのだった。

あまりにも頼りない声で。

彼は会いたくないと言われて少しは傷ついたのだろうか。

彼はもう会わなくても平気なのだろうか。

通い詰めたアパートのワンルームで、薄暗い天井を眺めながら、そんなことを考えていた。たださみしくて、まだ眠りたくなくて、彼とずっと話していたかった。

***

「もう会わない」

こんなに居心地がよくて、気が合う友だちと「もう会わない」そんなことできるのだろうか。

どれだけ眺めても、まっさらな天井にその答えはなかった。

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写真/gettyimages

わたしたちは、大学を卒業して、社会人になった。ワールドカップの開催地はブラジルからロシアになった。

わたしたちはまだ、恋人になりきれないまま。

ちゅうぶらりんな関係だけが続いていた。どちらから終わらせようともせず。

就職の関係でお互い引っ越すことになった。あの駅を離れて不思議なくらいパタリと会わなくなった。

いつもの終電にのって彼の家に行くことも、もうできない。

久しぶりに飲みに行った帰り道、たまに乗り換えで使う池袋のホームで彼を探す。

いるはずないのに。

やっぱり、同じ駅に着くあの終電が恋しかった。

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ぃゎぃ。
好物は人の恋バナです。身を切り売りして文章を書きます。旅と錆と文学がすき。酒も少々。
Twitter:@boc22_

>>連載「終電と私」を読む

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