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彼の見た目も性格も好き。でもひとつだけ気になるところが…【解決しない恋愛相談室】

解決しない恋愛相談室

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20190130_momoyama

イラスト/須山奈津希

恋バナ収集ユニット「桃山商事」が、グリッティ読者たちのリアルな恋の悩みに答えます。

スパッと解決! とはいかないけど、ちょっとすっきりして前向きになれるゆる〜い恋愛相談室

さて、今日のお悩みは?

file. 19

付き合って5年半になる同い年の彼氏がいます。共通の趣味が多く性格や気も合うし見た目も好きです。ただ彼の古いジェンダー観が気になっていて、どうしても彼の発言にイラっとしてしまいます。どうすれば彼にこういった考えを改め、フェミニストになってもらえますか?(Mさん / 27歳 / 大学院生)

清田代表

“古いジェンダー観”というのはおそらく、男尊女卑的で性別を男女という二元論で捉えていて、「男らしさ」「女らしさ」といったものにこだわりがある…ということだよね。

清田代表

彼のそういう価値観に、「共通の趣味が多く性格や気も合うし見た目も好き」というプラス要素が無効になるかもしれないレベルの違和感を抱いてるってことは、Mさんにとって相当大きな問題なんだと思う。

編集T

そうですね。Mさんは、彼が芸能界を引退する女性アイドルに対して「そろそろ結婚する年齢だもんね」と言ったり、ナチュラルに「オカマ」という言葉を使ったりするところが気になるとのことです。

清田代表

マジか…。アイドルに対しての発言からは「女性は若ければ若いほど価値が高い」という“ミソジニー(女性嫌悪)”的な感性が透けて見えるし、「オカマ」という言葉は「異性愛が普通で同性愛はイレギュラーなもの」という感覚から出てきているような気がする。

清田代表

ジェンダー研究の世界では、マジョリティ男性のなかには女性嫌悪と同性愛嫌悪が同居していることが多いという指摘もあり、この彼の意識もその典型な気がします。

編集T

へぇ〜そうなんですね。

清田代表

ただし、彼自身はそういう差別的な意識が自分のなかにあることをはっきり認識はしていないんじゃないかな…。

編集T

まさにそうみたいです! Mさんもたまに我慢できずに指摘するようなのですが、彼はあまりピンとこない様子で黙ってしまうそうで…。

清田代表

彼は「誰かを傷つけてるわけじゃないし、ましてや彼女のことをディスってるわけでもないし、何が悪いの?」って感じなのかもしれない。でもMさんからしたら、女性アイドルと“女性”という部分で共通しているわけで…。
女性アイドルをバカにすることは女性全体をバカにすることにも通じていて、間接的に、あるいは部分的に自分がバカにされたような気になっても不思議ではない

清田代表

彼からしたら、女性アイドルへの蔑視発言が、女性という群全体への攻撃になっていて、さらにその群の一部であるMさんにも届いてしまっているという意識はまったくない。そもそも「そろそろ結婚する年齢だもんね」が女性蔑視的な発言だという意識すらないわけで…。

編集T

なるほど。悪気がないっていうのが、余計にむずかしいですね。

清田代表

仮にいまの状態で「あなたのジェンダー観には我慢ならない。だから別れましょう」などと言おうもんなら、彼は原因がまったく分からないだろうね。そして、彼の“分からなさ”に対してMさんはさらに絶望する…という展開が予想されます。

清田代表

叶うならば、この彼氏と直接話して「いまのままだとマジでやばいよ!」と伝えたい。自分も過去に彼とまったく同じことをやらかしていたので…。

編集T

えっ! そうだったんですか?

清田代表

ちょっと前に「失恋」をテーマにしたエッセイを書く機会があって、昔付き合っていた人からもらった手紙(そういうのを全部取っておいてある人間なんです…)を読み返していたんだけど。
「キヨタはときどき女をバカにしたようなことを言うけど、私も女だから傷つく」「私はキヨタが思っているような女じゃない」とかめっちゃ書いてあって…。

編集T

完全にこの彼氏と同じじゃないですか!

清田代表

そうなんです…。だから彼のことを全然笑えない。中高を男子校で過ごしたせいか、女の人のことがまったくわからず、自分の好みの女子を神聖視する一方、そうじゃない女子のことは悪く言ったりしていた部分がたしかにあった。

清田代表

バカにするのも神聖視するのも、どちらも「人間扱いしていない」という点で同じで、つまり女性蔑視なんだよね…。自分がそういう価値観を持ってしまっていることにまったく気づいていなかった。

編集T

そういえば、この彼氏も男子校出身で、しかも男3兄弟の末っ子として育ったみたいです。

清田代表

育った環境も大きいのかな。だからといって仕方ないと許される話でもないんだけどね…。こういう問題って「意識すれば一発解決!」という話ではなくて、本当に小さなシーンの積み重ねだと思うんだよね。

編集T

なるほど?

清田代表

たとえば「女友だちがこういうこと言ってて、俺はこういう風にアドバイスしてあげたんだけどさ~」とか言ったとして、その「してあげた」という言葉に対してイラっと感じる可能性もある。あるいはバラエティ番組で女性芸人がいじられて笑われている様子を見て爆笑していたとして、「なんでこんなシーンで笑えるの?」ってなるかもしれない。
嫌悪感を刺激するスイッチは日常のさまざまなシーンに転がってると思うんだよね。

清田代表

ましてや結婚なんてしようもんなら、家事に育児、親との関係、セックスやワークライフバランスなど、ジェンダーの問題が関わってくるポイントは無数に増えてくるわけで。

編集T

無数ですか…。

清田代表

たとえば彼は、結婚したら「入籍して女の人が名字を変えるもの」とナチュラルに考えているかもしれない。それに対してMさんは「そもそもなんで女が苗字を変えなきゃいけないの? おかしくない?」ってなるかもしれないし、「嫁」っていう言葉を使う男性も多いけど、「嫁ってどういうこと? 女へんに家っておかしくない?」みたいに感じるかもしれない。

編集T

うわぁ…。結婚決まった瞬間から問題山積みだ。

清田代表

そういう無数の小さなストレスを感じながら生きなきゃいけないってことをどこかで予期しているからこそ、Mさんは彼との関係について悩んでいるんだと思う。場合によっては別れを検討しているかもしれないけど、それだって決して大げさな話でもなんでもないと思う。

編集T

そうか〜。

清田代表

これは彼個人だけの問題ではなくて、社会全体にもおかしなポイントがあるんだよね。いまだに男女の賃金格差はあるし、歴代でひとりも女性の総理大臣はいたことないし、会社の重役だって男の人のほうが圧倒的に多い。性犯罪の被害者もほとんどが女性だし、セクシャルマイノリティに対する理解の低さの問題だってまだまだ根深い…。

清田代表

たとえばセクハラ事件があっても「女だって思わせぶりな態度を取ってたんじゃないの?」という意見がわいてくるし、痴漢された女性が訴え出ても、「そんな人混みに行った女も悪い」「女ももっと自衛しなきゃ」なんて意見が出たりもする…。
女性蔑視的な内容の広告が炎上するケースもあとを絶たないよね。おそらくMさんはそういう社会全体に対しても怒りを感じているだろうし、その都度、胸を痛めてるんじゃないかと想像します。

編集T

うんうん。

清田代表

思うにMさんは、「対等」や「平等」といった価値観をとても大切にしている人なんじゃないかな。個性の違いはあれど、「女だから」「男だから」といった理由だけで差別や不平等が生じることに疑問を持っている、というか。

清田代表

こういう問題って、不利益を被っている側は構造のおかしさに気づきやすいけど、利益を得ている側は無自覚だしその実感もない…という傾向があるように思う。これは本当にもどかしいところだよね…。

編集T

なるほど。Mさんと彼は今後どうしたらいいんでしょう?

清田代表

彼がMさんの言うところの“フェミニスト”になるかどうかはわからないけど、少なくともMさんの訴えに耳を傾けることができれば、少しは状況も変わってくるんじゃないかな。

清田代表

そもそも彼もMさんのことが好きなわけで、関係を悪化させたり、ましてや別れたりするのは本望ではないはず。
Mさんは「彼のジェンダー観がダメ」という“ルール”の話をしているわけじゃなくて、「私はイヤだと感じる」という“感覚”の話をしている。彼だって、自分の恋人が嫌がることを積極的にしたいとは思わないはずで。

編集T

たしかに。

清田代表

ただ、おそらくMさんはすでに何度も彼に話しているはずで、それでも変化がないからこのような悩みを抱いているんだと思う。
違和感を伝えて「そっか、俺には無自覚な問題があるんだな」「別れるのはイヤだから、価値観を見つめ直していこう」となれば話はシンプルだけど、そうはいっていないからここに相談しにきてくれたんだと思うし…。

編集T

う〜ん。

清田代表

だとすると、ちょっとラディカルな方法になってしまうけど、“別れ”というカードを突きつけた上で「どうしても私はあなたの発言が気になってしまう」と伝えていくのもひとつの手だと思う。

清田代表

彼の発言がどうしておかしいと感じるのか、理由や背景を説明して、「あなたはどう思う?」って考えてもらうところから始めるのがいいかもしれないね。

編集T

別れをチラつかせちゃうんですね…。

清田代表

本当は試すようなことはしないほうがいいとは思うんだけど、そのくらい彼のスイッチを入れるのはむずかしい…
別れを考えるくらいデカい問題なのに「考えすぎだよ」で解決できるわけがないんだから、「これは俺が変わらないとヤバい問題かも」って彼が認識を改めてくれることを願って真正面から話し合ってみるしかないような気がする。

編集T

そっか〜。

清田代表

もちろん、たとえば「これは俺のポリシーだ」「人の価値観に口を出すな」って彼が思うならそれは彼の自由だし、そこまで介入する権利はMさんにだってないはず。覚悟を持って話し合いを持ちかけたところで彼が真剣に向き合ってくれるとは限らない。

清田代表

そうなってしまったら、残念だけどMさんの意思で別れを決断するしかないと思う。ただ、5年半も付き合っているふたりなわけで、正面からぶつかってみれば何かが変化するのではないか…というのが自分の考えです。バシッと解決できなくて申し訳ないけど…。

編集T

解決しない恋愛相談室ですからね(笑)。

清田代表

「あなたのことは好きだし将来も一緒にいたいんだけど、現状こういうことが気になってしまっている」 「気になる背景にはこういう問題がある」 「あなたじゃなくて社会が悪い部分もあるとは思っているけど、あなたの口から差別的なことが出てくるとどうしても引っかかってしまう」 「あなたが私をバカにしているわけじゃないのは重々承知しているけど、構造的にはこうなっていると私は感じている」 「それに対してあなたはどう思いますか?」って、粘り強く対話していけたら活路はひらけるんじゃないかと信じています。

「解決しない恋愛相談室」では、みんなの恋愛相談を絶賛受付中! 相談はこちらから。

momoyama_shoji

桃山商事
恋バナ収集ユニット。中心メンバーは清田隆之(代表)、森田雄飛(専務)、ワッコ(係長)の3人。2001年結成以来、男女1,000人以上から収集した恋バナをコラムやラジオで紹介している。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)や『生き抜くための恋愛相談』(イースト・プレス)がある。
WEBサイト/桃山商事 Twitter/@momoyama_radio

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GLITTY編集部

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