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東京クリスマス商戦のゆくえ。勝ち抜いたのはバンドマンの彼だった

「クリスマス」と聞いて、何を思い浮かべるだろう。

サンタ、ツリー、オーナメントに、靴下。

もしくは、初めての恋人と過ごした聖夜や、暖房の効いたオフィスで残業した思い出だろうか。

グリッティでは、クリスマスまでの6日間、6人のライターによるさまざまなクリスマスの物語をご紹介します。

ハロウィンが終わると、私の誕生月である11月を無視するようにすっ飛ばし(ちょっと悲しい)、クリスマスに向けてまっしぐら。

やれイルミネーション、やれプレゼント、それを人は「クリスマス商戦」などと言う。

クリスマスシーズン、思い出すのはひとりで行ったライブのこと

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撮影/mao nakazawa

そんな駆け抜けるような東京のクリスマスシーズン、思い出すのは別れた彼氏とのテキトークリスマスではない。ひとりで行ったライブのことだ。

東京中のお祭り騒ぎの喧騒を掻き分け、ヒッソリとした地下にあるライブハウスへ吸い込まれるように潜り込んだ。

クリスマスに友人を誘う勇気もなく、好きなバンドのライブをたったひとりで見に行く(ひとりでライブに行くほうが、勇気があるのか?)。

チケットを購入し重い扉を開けると、ステージは盛り上がりを見せていて、せまい箱は超満員御礼。身動きも取れない。

好きなバンドは楽しそうに演奏し、私もそれにつられて楽しくなって、今日はやっぱり来てよかった! と思った。

こんな風に、好きな音楽という共通点だけで見ず知らずの人たちと、一緒にいられることの素晴らしさと言ったらない。

大好きな彼との握手の感覚を忘れないように記憶に焼きつけた

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撮影/mao nakazawa

帰り際、出入り口の階段にギタリストが座っていた。彼はファンの女の子たちと話している。

私も生粋のバンドギャル略してバンギャなので、話をする順番を待った。

客は私が最後。会場は関係者以外おらず、打ち上げの準備を始めていた。

「サッサと帰れよこのガキ」と思われているだろうから、階段のちょうど見えないところにコソっと隠れて、かっこよくて大好きな彼に本日の感想を述べ、崇拝し、握手。

手がかっこいいんだよなあ、と握手の感触を忘れないように記憶に焼きつけた。

この握手の時間がなんだかとても長く感じて、離そうとソッと手を引いた。

すると彼は手を離してくれず、私の手を握ったまま、ニコニコしながらジッと見つめられる。

「え?」と言っても黙って手を握ったまま。そのまましばらく見つめ合う。

男女の仲ってこうやって始まるのね? クリスマス最高! と、思ったところで彼はみんなに呼ばれた。

「またね」とニコニコしながら言われ、きっと顔が赤くなっていた私は「あ、はい!」と言って名残惜しくも手を離し、階段を駆け上がる。

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撮影/mao nakazawa

久しぶりに出た地上は、街の騒がしさとキラキラした光景が広がり、私の心のなかの様子とまったく同じだった。

男女の見つめ合う時間といったら、この世のしあわせすべてが胸に突然詰め込まれたようで、満たされて息もできない。

あのクリスマスの日、私は初めてその幸福を知ったかもしれない。そしてまた、ライブハウスに通う日々が続くのだった。

クリスマス商戦、バンドマンは成功を収めた。握手や見つめ合う時間も出血大サービス、商売繁盛まいどあり、ってなもんだい。

冬なのに春を先取りしたような、特別な時間だった。

今年はとくに予定もないが、クリスマス当日、ひとりで外出するのもいいかも。

みなさまの心に突然、この世のすべてのしあわせが詰め込まれますように。

東京クリスマス商戦のゆくえ、見逃せないぜ。

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mao nakazawa
カメラマン、エッセイスト。1988年生まれ、東京都出身・在住。写真を撮ったり、文章を書いたりしています。フィルム写真とともにブログ「record of tokyo」を日々更新中。お仕事のご依頼はお気軽に。
web:cameranakazawa.com
Instagram:@_maonakazawa_
Twitter:@_maonakazawa_

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GLITTY編集部

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