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日本でのLGBTQへの理解って、あくまで違う生き物への「理解」なんだよね #オカマと映画とマイノリティ

オカマと映画とマイノリティ

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マイノリティ──。

「社会的少数派」の意。「社会的弱者」として言い換えられることもある。

当連載では、自身もマイノリティの立場であるライター・おつねが、マイノリティを描く映画を通して、見解を語っていきます。

『最強のふたり』(2012年日本公開)

パリに住む富豪のフィリップは、頸髄損傷で首から下の感覚が無く、体を動かすこともできない。

ある日、住み込みの介護人を雇うために面接をおこなっていたフィリップのもとへ、ドリスという青年がやってくる。ドリスは職に就く気はなく、失業保険をもらうために必要な不合格通知が欲しいだけだった。

ところが、気難しいところのあるフィリップは、ほかの候補者を気に入らず、介護や看護の資格も経験もないドリスを、周囲の反対を押し切って雇うことにする。

フィリップは、自分のことを障がい者としてではなくひとりの人間として扱ってくれるドリスと次第に親しくなっていく──。

日本で進むLGBTQへの理解。...それって同情?

2011年にフランスで公開され、その年最大のヒットになったこの映画。

名前を知っていたことと、何より見るだけで温かい気持ちになれる表紙、そして分かりやすいタイトルに一目惚れして観てみた。

フランス映画ってとにかく難しい作品のほうが多いイメージが強かったけど、本作は事実がもとになっているだけあって、とてもシンプル。

だからこそ、こんなに胸にくる作品なんだろうなと思った。

劇中で、フィリップのこんなセリフがある。

「彼だけは私に同情していないんだ」

このセリフを聞いたとき、思わず「わかる!」ってまるで女子高生みたいに大きな声を出しそうになっちゃった。

毎日すごいスピードでLGBTQへの理解が進んでいる日本。

でも、その「理解」ってあくまで違う生き物として、違う人種として存在していることを文字通り"理解"されている。そんな気持ちになることがある。

「(LGBTQなんだねー)辛かったでしょ?」「(LGBTQなんだねー)もう大丈夫だからね?」って感じ。

とってもとってもありがたいし、もちろん悲しいことや辛いことも多かった。

でも、きっと私がセクシャルマイノリティじゃなくても、生きていれば必ず辛いことはあったはずだし、いまではハッピーな毎日を送っているのに、突然「悲しい思いをした、可哀想な人」ってレッテルを貼られてしまうのは、いい気持ちとは言えない。

フィリップも、健常者から障がい者になったからか、より強く「可哀想な人」のレッテルを貼られていて、そのことに対する息苦しさをこの一言がとてもよく表していた。

だからこそ、同情せずに共感をしてくれるドリスとこんなに仲良くなれたんだろうなと思う。

一度ミスしたらやり直せない。そんな空気に「変だ」と言ってくれた

そして、本作は障がいを持っているフィリップと、そんな彼をいい意味で特別扱いをしないドリスの関係性ばかりに目がいってしまうけど、違う見かたができるシーンもある。

そのシーンでは、フィリップが友人のセレブから「話がある」と呼び出されこんなことを言われる。

「私のツテを使って調べさせた。あの男(ドリス)には服役した前科がある。もうあの男と関わるのはよしたほうがいい」

そのときにフィリップは、

「あの男にどんな過去があろうと、それはいまは関係のないことだ」

「大切なのはいまだ。彼は何の問題もなくがんばって働いてくれている。私はそれで満足だ」

って返したんだ。

私が日本で生まれて育っているから強く感じるのかもしれないけど、日本って一度何かミスをしたら、なかなかやり直しがきかない国だなって感じることが昔からよくある。

その緊張感をみんな無意識のうちに感じてしまっているから、つねに気を張ってなくちゃいけないし、つねに何かに追われているような、そんな緊迫感のなか日々暮らしている。

そんな変な空気に堂々と「変だ」といってくれる清々しさが、本作の最大の魅力なのかなと思った。

10人いたら、10人分の過去があるし、現在があるし、未来がある。

そんな当たり前のことすら忘れかけてしまっているんだって、反省すると同時に感謝の気持ちが湧いてきた映画。

私も変な空気、変なループにはまっている人がいたら堂々と空気を読まずに「変だよ」っていってあげられるような、そんな素敵な余裕のある人になりたいな。

>>「オカマと映画とマイノリティ」をもっと読む

おつね

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