レストランや駅の改札前で繰り広げられる、男女の会話。

それとなく続くやりとりも、ふたりにとってはまたとない大切な時間です。

当連載では、妄想ツイートで話題のライター・カツセマサヒコさんが、思わず「あるある!」とうなずいてしまうような男女のリアルな会話を描いていきます。

映画の帰りに外食をする男女の会話

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店探し

男「あー、めっちゃ腹減った」

女「ね、もう20時だもんね」

男「何食べたい?」

女「えーなんでもいいよー?」

男「うわー、でた。『なんでもいい』。本当はなんでもよくないやつ(笑)」

女「バレた(笑)。挙げてもらったなかから選びます(笑)」

男「えっとー...嫌いなものはあったっけ?」

女「プリン」

男「いや、夕飯でプリンはないでしょ(笑)」

女「一応言っておこうと思って(笑)。そっちは?」

男「レバー」

女「あーわかる! 私も食べられない!」

男「プリンより先にそっち言うべきじゃね!?」

女「そっかそっかごめん、浮かばなかった(笑)」

男「えーどうしようかな、じゃあ焼肉以外か」

女「うーん、たしかに、肉って感じじゃないなあ」

男「じゃあ魚? うまい魚の店とかいいな」

女「あーいいね! 焼き魚食べたい!」

男「どっか店知ってる?」

女「ぜんぜんわっかんな...あ、ラーメンおいしそ」

男「え、ラーメン? 魚じゃねぇの?」

女「でもおいしそうじゃない? あそこ」

男「あー...とんこつか」

女「ダメ? ラーメン何派?」

男「味噌が好きだけど、とんこつも2番目に好き」

女「じゃあ決定だ。私とんこつがいちばん」

男「マジか、ラーメンでいいの?」

女「え、ダメ?」

男「いや、一応、はじめてふたりだし、みたいな...」

女「え、あ...デートとか意識してくれてる?」

男「え、いや...うん、一応?」

女「かわいい(笑)。いいじゃん、"初デートがラーメン"」

男「うーん、まあ、いいかあ」

女「ムードも何もない女だからモテないのかなあ(笑)」

男「いや、たぶん想像してるよりはモテてると思うよ(笑)」

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オーダーまでのやりとり

女「えーどうしようかな、意外と種類あるね」

男「いや、初回はその店の定番でいくべきでしょ?」

女「えーじゃあとんこつラーメン? でも全部おいしそうだし、あ、待って待って? ...つけめんもあるじゃんー!!」

男「そこでテンション上がるの?(笑)」

女「上がる上がる!(笑)うっわーどうしよ、倍悩む。これは悩む」

男「なんでもいいから早くしてー(笑)」

女「急かさないでー、ここは大事でしょ。この空腹を満たすための料理にふさわしいものを、じっくり吟味して選んでいきます」

男「めっちゃ時間かかりそうじゃんやめて(笑)」

女「じゃあ、チャーシューつけめんで! 味玉も!!」

男「はやっ! めっちゃガッツリいくな!?(笑)」

女「お腹ぺこぺこだもん。何でも食べられそう」

男「いいことだ。すませーん! とんこつラーメンと、チャーシューつけめんに味玉くださーい!」

女「わー楽しみだっ!」

男「ね、うまいといいな。食べログ見る?」

女「ダーメだよ何言ってんの。自分たちで見つけたんだから自分たちで満足度決めないと」

男「おお、素敵だなそれ」

女「でしょー? 最近の男はすーぐ点数に頼るから」

男「そんなことある?(笑)」

女「そうだよ。どうせ帰ってから『アイツ40点だったわー』とか言うでしょ? インスタのストーリーで私の後ろ姿とか撮って『40点~』とか書くでしょ?」

男「書かねーよ(笑)。どんな被害妄想だよそれ(笑)」

女「じゃあ、いまのところ何点だった?」

男「ええ...?」

女「だって初めてふたりで映画行って、夕飯食べるんでしょ? 何点?」

男「いや、何点って言われても...。何点満点?」

女「100点満点」

男「じゃあ、えっと...映画自体は、60点」

女「辛口だ」

男「でもエンドロール終わってから伸びする姿で、140点」

女「たかっ!(笑)私の伸びそんなに高いの(笑)」

男「そして味玉トッピングで250点かな(笑)」

女「味玉~! 味玉、私の伸びよりポイント高いじゃん(笑)」

男「おれ『初デートでトッピングできる女に弱い』って覚えとくわ(笑)」

女「あははは! そうして(笑)」

...みたいな初デートから始まる恋があったら、きっとお互いのことをひとつずつ知るたびに愛おしく感じたり、知り過ぎることを怖く感じたりするのかなと思いました。

それにしても、17時台からの映画が終わって外が真っ暗になって、「じゃあご飯行こうか」と自然な流れになるの、本当に王道でいい。そして無性にラーメンが食べたくなりました。

撮影(2枚目)/出川光 写真(トップ、3枚目)/Shutterstock 文/カツセマサヒコ