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男ウケするモテ服なんてとうに捨てた。でも、結婚したい。

でも、結婚したい。

男ウケするモテ服なんてとうに捨てた。でも、結婚したい。

東京で働くアラサーOLは、とにかく服によくお金を使います。帰りがけにうっかり丸の内、銀座、青山、表参道、新宿、渋谷があればとりあえずコンビニ代わりに見てくし、見たらとりあえず買っちゃうものです。

東京で働いていると服を買っちゃうんだよ

女友達たちが10万円オーバーの服を現金でズバーッ、クレジットカードでズバーッと買っていくのを見ていると、ユニクロの服がコンビニ菓子のように見えてくるので、私もついズバーッとヒートテックを買ってしまいます。

こういう服のドカ買い話をすると男性陣はおののきますが、彼らは服を「公序良俗違反で捕まらないための良識的な布」と捉えているだけです。でも、女たちはそうじゃない。

会社用の服、デート服、礼服、自分が着たいけど似合わない服、自分が着たいけどモテない服、自分に似合うけどモテない服、自分に似合うけどいらん男が寄ってくる服、自分に似合って好きな服、最も愛している部屋着。

これだけ種類があるのだから、買う量が違って当たり前。アラサーOLの体は物理的にはひとつだけど、頭の中では7つぐらいあるから、いつだって「服と時間が足りない!」って思っています。そしていらない服を買って後悔する、までがワンセット。

似合わないモテ服を買った黒歴史この指とーまれ

後悔する服の中でも、特に「ぐおおおおお使えねえええええ」と荒ぶる後悔のポーズがはかどるのが「モテ服」。雑誌の「愛される服」「こういう服がモテるんです!」「男性の本音!好きな服、引いちゃう服」といった特集でキラッ☆と笑う女子がかわいくて、「君がそこまで笑顔で勧めるなら、やぶさかじゃない...よ...?」とうっかり買ってしまった服がどれほどあることか。

でもやっぱり似合わないから着ないでクローゼットの奥に封印。ですがうっかり封印が解けてモテ服を見つけてしまった時は、とりあえず写真を撮って女友達とのLINEグループに投げて「モテ服が出てきたwwwwww」って供養するのが私たちのルール。Instagramで「#MoteSute」とかいうハッシュタグでやってもいいぐらいには溜まっています。

もちろん、モテ服が似合ってそれが好きなタイプの子たちは、「いらぬモテ服」なんてないから羨ましい。でも派手顔、グラビア系、男顔、骨格がしっかりしてる系など、「モテ服」が似合わない子たちだっていっぱいいます。で、そういう女たちはだいたい「モテ服」に走った黒歴史を持っています。もちろん私も。

モテに走ったこともあったよ、だけどさ

たしかに私は学生時代、モテに走り、好きでもないし似合いもしないモテ服を買い込んでいた時期がありました。なぜそんな苦行に金を払ったかって、もちろんモテたかったからさ!

女子校育ちでのほほんと過ごしてきたためか、熾烈なモテ競争というものを理解していなかった私は、「これだけモテが称揚されているならさぞいいものなのだろう、ならやってみよう!」と思い立ち、ABテスト及び調査対象の査定、母数の確保、仮説と検証を繰り返した結果、たしかに望んでいた現象(=モテ)は得られました。ですが残念ながら、モテは思ったよりいいものではありませんでした。

モテ服に寄ってくる男性はヤリチンなどの性的マッチョか、見下し系の精神マッチョが多いのですが、私は男性の「マッチョさ」がものすっごい苦手なので、金と時間をかけて苦手なタイプを引き寄せていただけで無駄無駄無駄でした。

「私はマッチョが無理なんだ!」という重要な事実を確認できたこと、「日本的モテは私には合わん!」と気づけたことが、モテ服を着てみたことの最大の収穫。モテ服に払った十数万円は「教材費」として家計簿に入れました。

モテ服は嫌。でも、結婚したい

20160314_kekkon_02.jpg私のような話はどこにでもあって、女友達たちもだいたい似たようなことをやっています。

でも、いったんは捨てたはずの「モテ服の呪い」が、アラサーになったらまた増えてきたように思えます。恋愛に遅咲きだった激務女子やマイペース女子、オタク女子、アカデミー女子は、アラサーになって突然「やばい結婚したい」と焦り、初めての「モテ服のジレンマ」の真っ最中。

いったんはモテ服を捨てて好きに生きてきた女たちも、婚活市場に参入する際に「男たちに怖いって思われる服しか持ってない!」と「モテ服のジレンマ・アゲイン」に陥っています。

王道の「20年前から変わらない女子アナ的コンサバ」方面に行った子たちはまだいい。悲惨なのは、自分がアラサーになったことに気が付かず「モテ服とはこういうものだ」という思い込みにしばられて、ふわふわ☆ホワイト☆すないでる☆みたいな「20代前半のモテ服」沼にはまってしまう子。ぺらぺらポリエステルはもう私たちの年だと似合わないんだよ。こんな迷走が起きるのも、興味がないモテ服を突然、取り入れようとし始めるから。

彼女たちは「モテ服とかダサい」「モテ服に群がる男が気持ち悪い」「モテ服を着る自分が気持ち悪い」「鏡の向こうにエアリーな格好をした妖怪が見える」という葛藤を抱えながらも、モテ服にすがってしまいます。

なぜなら、外見を変えることは内面を変えるよりずっと簡単だから。キャリアを積んできてお金の余裕はあるから、とりあえずクレジットカードを出せば、「結婚できるかもしれない」という夢を買える。

「好きな格好をしてきたけれど、気がついたら独身。なら服装を変えて男性ウケをよくすれば結婚できるの?」

モテ服は、好感度を高める布というよりも、宝くじと同じ夢を買うサービスなのだと思わされます。

モテ服を着ても結婚はできない

「結婚したい」という夢を見るために、独身アラサー女子は今日もモテ服を買います。

でも、モテ服は「できるだけ多くの人に好感度を持たれる」ことを目的としているから、実は結婚になーんにも関係がありません。だって結婚できる相手は1人だから。

モテた分だけ結婚できるなら、そりゃモテた方がいい。でも、人類はまだ身体分裂できるステージには達していません。ならば「多くの人が好感度を持つけど自分に似合うかわからないし好きでもない服」で100人を釣るより、「似合うし好きな服」を着た自分に好意を抱いてくれる人を1人捕まえた方がずっといい。

アラサーは今日も「結婚」という夢を買いに服を買う

結婚の最低条件は「自分が好きな自分でいられる相手」だと私は思っています。だったら最初から「自分が最高に好きな自分」で勝負した方が良くない?って思うんだけど、とりあえず気がすむまでやってみることも大事だなと思って(自分がそうでしたからね)「買い物に付き合って~」という呼び出しに、私は今日も駆り出されていくのでした。

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撮影/出川光

ぱぷりこ

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