「あの子、芸能人の娘なんだって」。

地元の中学を卒業し、高校に上がって数日目、どこからともなく聞こえてきたウワサ話。

誰にも言っていないのに、もうバレてる。あぁまた始まった。

私を見てくれている人なんて誰もいないと思った

どこへ行っても、ただ親が有名だからというだけで注目されるのが嫌だった。

幼い頃はダンスや歌が大好きで、舞台に立つこともあったが、中学に上がり自我が芽生えはじめたころ、自分を「利用したがる」大人がたくさんいることに気づいた。

そのころの私にスキルやセンスがあったのかどうかなんてわからないけど、私自身を見てくれている人なんて誰もいないと思ったし、傷つけられた幼いプライドを守るのに必死だった。ダンスも歌も辞めた。

そんなんで片付けられてたまるもんか

20歳で渡米し、女性誌のオフィシャルブロガーとして活動することになってブログを書きはじめた。

文章を書いた経験は、学校の作文を除き当然ゼロ。はじめは難しかったし、なにを書いてもフツーで、こんなんじゃ駄目だと落ち込んだ。

ブログからはじまり、TwitterやInstagramなどのSNSが主流の時代に変化し、インフルエンサーという言葉が行き交うようになったころ、恐れ多くも私に注目してくれる人が少しずつ増えていった。

大人恐怖症の私は、半信半疑ではあったが、いただいたお仕事は一生懸命がんばった。

人一倍努力しないと認めてもらえない。

「芸能人の娘だから」仕事がもらえる。コネがある。お金がある。

そんなんで片付けられてたまるもんか。毎日毎日働いて、がんばってきたから、今の環境がある。親が有名でもなんでもいいが、子は親の名に恥じぬよう生きるだけだと思う。

自分を信じ、強くあること

「私が選んだんじゃない」って何度も思った。

嫌なことなんて山ほどあった。

だけど、これが私に与えられた使命であって、運命であって宿命であることは変えられない。自分で周りを変えていくしかない。

自分を信じ、強くあること。この強さも、自分の親がいなければなかったもの。

がんばれ二世、私たちの未来は、明るい。

by 菊乃